今や外壁の主流はサイディングですが、耐震性や耐久性の高いモルタル外壁で施工する家も少なくありません。しかしながらモルタルには、ひび割れを起こしやすいという弱点があります。そしてひびが発生することで雨水などの水分を吸収してしまい、建物の劣化につながります。そこでこのひび割れをいかに防ぐかが、モルタル外壁塗装の主な目的となります。

モルタルでの外壁塗装で使われる一般的な塗料は、コストパフォーマンスに優れたシリコン系塗料です。汚れやすいモルタルに対して汚れにくくなり、費用と耐久性のバランスが優れていることが理由です。モルタルはサイディングのように表面はそれほど熱くならないので、弾力性の高い塗料も使えます。

弾力性の高い塗料には、3つの工法があります。安価に済ませることができる反面、耐用年数が短い単層弾性工法と、耐久性は高いものの工程が長く費用が高くなる複層弾性工法、そして下地材に弾性系塗料を使う微弾性塗料工法です。これは予算などに応じて選ぶと良いでしょう。

またモルタルは家の立地によってはカビも発生しやすくなります。湿気が抜けないような場所や半地下になっているようなところがあれば、防カビ剤の入ったものを使うと良いでしょう。

モルタルでの外壁塗装で注意が必要なのは、最高位のグレードとなるフッ素樹脂塗料を使うと塗膜が割れやすくなるということです。フッ素塗料は光触媒によって汚れをセルフクリーニングするタイプのものがあります。けれどもこのタイプは塗膜を強固なものとするので、ヒビが発生しやすいモルタルに塗ると割れてしまうというわけです。